龍谷大学でのワークショップ授業(2015.10.21)

「国際福祉の視点ー最大の人権侵害としての戦争被害、国際関係学や平和学への視点とのつながり」

<福祉と戦争について>
・福祉は幸せに生きるためのものだと思うので、戦争と福祉は対極にあるものだと思った。戦争によって人々におよぶ影響は加害者も被害者も生きるのが不可能になったり、難しくなったりするほどひどく悪いものだと感じた。犠牲者しか生まない戦争は、福祉の目で見た時も絶対するべきではないと考えられる。

・戦争は福祉と正反対のものです。加害者も被害者も誰も救われません。人を思いやる心はなく、誰もが対等な立場がそこにはありません。福祉はどちらかというと、国内のものに目が行きがちですが、大きな視野をもち、海外にも目を向けなければならないと思いました。

・映像の中で「女性も子供も関係なく死んだ」という話をきき、障がいを持っている人や年配の方は生活すら困難であったと考えます。福祉というものは、自分自身の普通の生活の上にあるものであって、戦争などという自分が生きるだけで精一杯の時代に「福祉」という考えは生まれないと感じました。裕福であるからこそ、様々な人に分け与えることができると考えました。

・戦争は「人の心」を完全に壊すものだと感じた。「一人の人として当たり前に生きる」ということはどういうことかと考えた時、やはり人がともに生きていく社会がなくてはならないと考える。そのためには、自分の存在や意思を大切にすることが重要だと思う。

・福祉的な立場からみて、心理的にも改善していくことも必要です。戦争があったことを忘れてはいけないし、被害を受けた側、戦争を起こした側についての考えを深める必要もあるなと思いました。それらの考えを聞いた上で、まだ自分の中で葛藤している人がいると思うので、そういう人たちの心を少しでも軽くできるようにしたいと思いました。

・私は福祉を学んでいく中でコミュニケーションの大切さを学びました。今回の講義で、相手に自分の思いを伝え共有することで、根本的な過去を知り、それが未来に進むために必要なことであると知りました。被害者・加害者双方の話を聞く機会が大事だとも感じました。自分も世界に目を向けて、自発的に行動していきたいと思いました。

・戦争を起こさないためにも、福祉を学んでいる私たちは、まず自分たちの国内で戦争をしようとする考えを持っている人を出さないために、一人ひとりの福祉的な幸せ、たとえば安定した衣食住の保障など、他国を頼らなくても自国で豊かに暮らしていけるようにすることが実現することが難しそうですが、よいのではないかと思いました。

・福祉の視点からみて、戦争があった時代は福祉とは無縁なのではないかと思います。福祉とは、「幸せ」と「豊かさ」を意味するものであるのに、戦争はただ人を殺しあうだけで「憎しみ」「恨み」が生まれる悲惨さしか残らないものだと思いました。

・相手の過去のつらい思い出を聞き出すということは、福祉の現場で多く起こることと共通項が多いと感じます。つらいことを話す、自分の気持ちを打ち明けることはむずかしいことであると思います。自分から話したいことではないし、今の若者が自ら情報を集めて、後世に伝えなければならないという意識が広まるのが大切だと感じました。戦争をしてはいけないと口にするのは簡単ですが、殺人による悲しみを理解しようとする姿勢が大事だと考えました。

・人の幸せのためにある福祉の観点からみたら、まさに戦争は真逆のことをしていると感じる。関わったすべての人が心に傷を負い、何の罪もない人が次々と命を落としてしまう戦争は、やはりあってはいけないことだ。

・戦争とは、福祉の立場から考えると「幸せを崩壊させるもの」であると感じた。戦争のない平和な福祉をつくりあげていくべきだと思った。一人ひとりの意識を変えていくべきだと思った。

<感想>
・講義を受講して、考えが大きく変わりました。僕はアメリカが日本に原爆を落としたと知っているが、アメリカを憎んではいないし、アメリカ人を嫌ってもいない。でもそれは、身近に被害者がいないからだと思った。自分の親、兄弟、恋人が殺されたとしたら許せないと思う。しかし、「未来にすすむために、過去に向き合う」ということは本当に大切なことだと思った。むき出しの憎しみ、悲しみ、怒りに向き合うことは勇気がいることだが、この一歩があることで、本当に心から人間がわかりあえる素晴らしい未来に通じると感じました。

・私は戦争が嫌いです。戦争の写真、映像、証言を見聞きする度、気持ち悪くなります。その苦しさを避け、見ないように、知らないようにしていました。しかし今回の講義を聞き、知ることの必要性、重要性を知りました。無知は罪ですね。そこからは何も良い変化は起きません。今になって自分を恥ずかしいと思いました。

・この講義を受けるまで、日本の歴史について大して深く考えたことがありませんでした。でも、お話をきき、ビデオを見た後は考え方が変わりました。私たちの世代は世代とは縁がなく深い理解をしている人も少ないと思いますが、二度と残酷な歴史を繰り返さないようにするためにも、私たちの世代が日本の歴史について一番考えなければならないのではないかと思いました。

・今までフィリピンのこともあまり知らず、どこの国かもわからないまま過ごしていた。授業でフィリピンのこともたくさん分かった上に、戦争とはとても残酷なんだと改めて思った。今日学んだことを忘れずに、私は体験していないが、今後、子供たちに伝えていかなければいけないと思った。

・フィリピンの人が過去の戦争でつらい思いをしているのはもちろんだけれども、同じように元日本兵も苦しんでいるというのは、考えつかない発想でした。戦争を今後しないためにも、自国の歴史や他国との関わりを知って、未来に伝えていく必要があると思いました。

・戦争は過去の話で、今の世代の人をうらんでも仕方ないし、過去を変えることはできないから、これから良くしていけばよいと思っていましたが、今回の講義を聞いて、今なお被害や心の痛みは続いているという現実に驚き、悲惨なものだったと感じ、その傷をおったまま次の未来はないんだなと思いました。戦争には勝者などいなくて、その時代を生きた全員が被害者だるということが一番印象に残っています。

・日本兵やアメリカ兵の死者数より、圧倒的にフィリピンの現地の死者が多かった。日本とアメリカの戦いなのに、フィリピンが巻き込まれるのはおかしい。絶対に二度と戦争という過ちをおかしてはいけないと感じた。

・私は戦争を知らないし、加害者のことは考えたことがなかったが、実際日本軍として生きていた日本人の話もきくことができてよかった。終戦から長い年月がたち、実際の戦争経験者が減ってきていて、未来に向けて戦争をさけなければならない時代にきているため、このような活動はとても大事なことだと思った。

・フィリピンの方が家族を目の前で殺され、家を焼かれ、心を傷つけられた経験は、本当に言葉で表せるものではないと思った。「時間が過去の傷を和らげる」という言葉は、都合のいい残酷な言葉だと思った。講義を聞き、これからを生きていく日本人が戦争という悲しい出来事を日本人の起こした過ちとしてとらえて、考えていくことの大切さを感じた。今まで考えたことのなかったことについて考え、知らなかったことを知れたので本当によい経験だった。

・小学校からずっと修学旅行で広島や沖縄へ行ったり、戦争体験を聞いたりと、平和学習をしていたが、戦争の本当の恐ろしさを知ることができていないと思った。それぞれの視点で戦争を見ることが重要だと思った。

・どの話も印象的だった。命令に逆らえない話、市民かゲリラかわからないので殺した話、戦争をしてもいいことはないと思ったし、かなしいだけだから、絶対に起こしてはいけないと思う。何も関係ない人でさえも犠牲になるなんておかしいと思った。

・戦争を経験した人たちのリアルな声を聞いて、改めて戦争はしたくないと思った。ここまでリアルな声を聞いたのは初めてだったから、耳をふさぎたい気持ちでいっぱいになりました。無情感って気持ちになるって逆にすごいと思った。

・私たちは日本の昔の行いをきちんと知り、同じような過ちを起こさないようにすることが非常に重要だと感じた。その重要性とともに、私たちはそのことに対して知る義務があるのではないかと考えさせられました。

・非国民扱いにされるのが嫌で自分の意志を押し殺していたという話があったが、その考えは今も続いているなと思いました。ダメなことをダメと言い、自分の意志を大切にしなければ戦争ではなくてもまた悲劇が生まれると思う。

・私ももっと国際問題について学んでいきたいと思いました。やはり戦争の話は大切だと思うので、下の世代には、上の世代の方から戦争について話していくことが大切だと思いました。

・よく知らないからで済まされることではなく、どの世代の人も戦争について知り、一人ひとりが向き合わないといけないと思いました。

・絶対戦争は起こしてはいけないと思ったし、話もきちんと語り継いでいかないといけないと思った。このようなことがあったことを忘れてはいけないと思った。生きているから感じられる幸せも戦争だと人を殺してしまう。

・今日まで、フィリピンの人たちの一部が日本のことをあんな風に思っているなど知らなかった。自分の勉強不足であり、もっと社会を知らないといけないと思った。自分が思っているより戦争は人の心に傷を与えるものだと改めて確認でき、これから私たちができることを探して、小さなことでも次の時代に戦争の痛みを伝えていかなければならないと思いました。

・ビデオをみて、いかに今が平和であって、それがよいことなのかがよくわかった。戦争を経験された人だからこそ、「戦争は決して二度と起こしてはならない」という言葉がすごく説得力があった。「お国のため、天皇のため」と言っていたが、学校教育によってマインドコントロールされていたというのが衝撃だった。

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